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CCell 社、2022 Elektra Awardにてパワーシステム・プロダクト・オブ・ザ・イヤーを受賞

CCell社は、再生可能エネルギーとVicorの電源モジュールを用いて、新しいサンゴ礁の成長を加速させ、世界中の海岸浸食を軽減しています。

Recipients receiving award image

海洋生態系と調和して海岸浸食に対処することを使命としているCCell社は、ロンドンで開催された2022 Elektra Awardsのパワーシステム・プロダクト・オブ・ザ・イヤーを、13のノミネート企業を抑えて受賞しました。英国に拠点を置くCCell社は、 環境に優しいアプローチを維持することで海岸浸食を軽減し、世界中の海岸環境を守り、地域社会を保護することに取り組んでいます。

CCell ・CEOであるDr. Will Batemanは、次のように述べています。「今回の受賞は、私たちCCellが情熱を注いできた取り組みが認められたということであり、大変光栄に思います。 私たちは、革新的なパートナーであるVicorと仕事をすることができ、大変幸運だと思っています。Vicorのサポートのおかげで、システムに必要な正確な電圧の測定と制御が可能となり、永続的で持続可能なデジタル時代のサンゴ礁を育成するための石灰石をつくることができます。」  
 
CCellは、気候変動による浸食に歯止めをかけ、地域社会や人々の生活を救おうとしています。気候変動により全世界の51%以上の海岸線が浸食され、沿岸の地域社会や人々の生活が脅かされています。

サンゴ礁がある海域は波の力を弱くなるため、海岸の砂を保持することができ、沿岸地域は観光客を呼び込むことができます。これは、地元のホテルや中小企業の持続的な繁栄につながり、地域経済へのプラスの連鎖を生み出します。

 

自然よりも早く、持続可能なサンゴの成長を促進

CCellは、再生可能エネルギーと革新的な電力変換技術を用いて、海水を電気分解することで、浸食に歯止めをかけ、地域社会を救おうとしています。

CCell image

図1:CCellは、再生可能エネルギーと革新的な電力変換技術を用いて、海水を電気分解することで、浸食に歯止めをかけ、地域社会を救おうとしています。

CCellは、VicorのFactorized Power Architecture(FPA)技術を採用し、電圧変動の大きい太陽光や波力エネルギーを、最適な電気分解プロセスに必要な、正確な電圧に変換しています。この電源モジュールは、CCell Senseと呼ばれるプラットフォームに使われています。CCell Senseによって、沿岸部の海洋環境の回復ミッションで、海洋生態系を遠隔地からリアルタイムでモニタリングすることができます。

CCell のサンゴ礁育成システムでは、海水を電気分解することで、電極(アノードとカソード)である大きなスチールフレームの上に炭酸カルシウム(石灰石)を堆積させ、新しくサンゴ礁になる土台を作ります。通常は石灰石ができるまでに数百年の年月が必要ですが、わずか4カ月でサンゴが育つような強固な岩盤を作ることができるので、画期的な技術です。
 
CCell によると、このシステムを動かす電力は、複数の供給源で賄われます。そのうちの一つは、CCell 独自の波力エネルギー変換システムにより、パドルで電気を作り出す油圧システムに電力を供給し、再生可能な資源から生み出しています。波の大きさによって、このシステムは35Vから70Vまでの電力を生成し、それを電気分解システムで変換、制御、監視しています。また、風力や太陽光を活用して発電することも可能です。

いずれの場合も、正確な速度の電気分解処理が求められます。CCellは、10Aのピーク電流とサンゴ礁の長さごとに必要な50Wの電力供給を維持するため、電圧を調整するモジュール(PRM)と電圧変換・絶縁のためのモジュール(VTM)を用いた、FPA技術 を採用しています。高速過渡応答が可能なPRM™により電圧を正確に調整し、VTM™により電圧変換(降圧)を行い、電極に電流を供給します。

Vicorのフィールド・アプリケーション・エンジニア、フィリップ・シンプソン(Philip Simpson)は、次のように述べています。「VTMは、電圧変換比固定(レギュレーション機能なし)の高電力密度の共振型コンバータで、DC-DCコンバータのような役割を果たします。CCellが採用したPRMとVTMの組み合わせは、90%をはるかに超える効率を実現し、理想トランスのように動作します。」

世界の沿岸地域社会を守る

海岸浸食は世界的な問題であり、CCellはいくつかの国でその問題に取り組んでいます。現在、メキシコ沿岸、イスラエル、モルディブなどでプロジェクトを展開しています。CCellの今後の目標は、コーネル大学との提携により、サンゴ礁の上に音響装置を設置し、生きたサンゴ礁の音を再現して、海洋生物を引き寄せる手助けをすることです。海洋生物が新しいサンゴ礁とどのように相互作用しているかを理解することは、このソリューションの有効性を評価する上で重要な要素です。CCellは、海洋生物の生態系と調和するような仕事をするよう努めています。

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