Build small, lighter power systems by eliminating bulk capacitance
Powering systems that are eight to ten times smaller and lighter than conventional solutions
By Joe Ares, Senior Principal FAE
ワイド入力電圧に対応したDC-DC コンバータを見つけることは一般に難しいといえます。一部のアプリケーション、特に鉄道用やバックアップ用電源などでは、広い入力電圧範囲が必要なので、多くのDC-DC コンバータは対応できません。ワイド入力範囲に対応するDC-DC コンバータには、多くの場合、複数の大きな欠点があります。ワイド入力DC-DC コンバータは、定格電圧が高いMOSFET が必要です。一般的にこのようなMOSFET のオン抵抗は大きいため、低い入力電圧でコンバータが動作して入力電流が高くなると、電力消費が増大します。その結果、DC-DC コンバータの定格出力電流が低くなり、電力密度が低下し、最終的にワットあたりのコストが高くなります。
単一のコンバータで構成したワイド入力範囲DC-DC コンバータで満足のいくパフォーマンスとコストが得られない場合は、2 つ以上の入力電圧範囲の異なるDC-DC コンバータを組み合わせることで、良い効果が得られる場合があります。入力電圧範囲の狭いDC-DC コンバータを複数組み合わせて、ワイド入力電圧範囲として使用すると、一般的に電力密度は高く、高効率で動作するため、単一構成のコンバータソリューションよりも小型化し、高効率、低コストを実現できます。
図1 は、9 ~ 154V のワイド入力電圧範囲仕様のDC-DC コンバータを構成するために、Vicor の9 ~ 50VIN 入力 DCM™コンバータと43 ~ 154VIN 入力DCMコンバータを組み合わせたブロック図を示しています。9 ~ 50VIN および43 ~ 154VIN DCM コンバータの電力密度は非常に高いため、これら2 つのコンバータを組み合わせることで、入力電圧範囲が同様である単一構成のハーフブリックコンバータよりも、実装面積を小さくできます。
図1: ワイド入力電源装置のブロック図。
実装スペースを節約できるメリットに加えて、入力電圧範囲を補完しあう2 つのDCM™ 製品を使用した場合の出力電力および効率の改善効果も重要です。入力電圧範囲12 ~ 155VIN の同等の市販のハーフブリックコンバータは、出力電力は最大100W (12VOUT、ピーク効率85%)ですが、2 つの DCM コンバータで構成したソリューションでは、入力電圧範囲9 ~ 154VIN に対して、160W (12VOUT、ピーク効率91.5%)まで供給できます。
表1: DC-DC コンバータによる単一構成と2 構成。
複数のDCM を組み合わせることでメリットを得られる別の用途に、電源バックアップがついたワイドレンジ入力の電源装置があります。単一のコンバータで構成するワイド入力範囲のディスクリートコンバータは、大きくてかさばり、効率が低い(70 ~ 75%)一方、DCM 3 個で構成するソリューションは、効率が大幅に向上し、小型化を実現できます。
たとえば、入力停電保持用の大型コンデンサを備えた400V 入力、48V 出力電源の場合、3 つのコンバータ(16 ~ 50VIN、43 ~ 150VIN、120 ~ 420VIN のDCM)を組み合わせることで、停電保持コンデンサが16V まで放電した状態でも、負荷に48V を供給できます。通常の動作中は、120 ~ 420VIN の DCM が負荷電流を供給し、その間、16 ~ 50VIN および43 ~ 154VIN のDCM は停止していますが、入力電源の供給が停止されると、停電保持用コンデンサからそれぞれのDCM(高効率: 85 ~ 90%)へ電力が供給されます。
図2: 3 つのDC-DC コンバータによる構成。
高い入力電圧による損傷から低電圧のDCM™ を保護するには、電圧クランプ回路が必要です(図3参照)( この回路の詳細については、アプリケーションノート(『AN:214 Meeting Transient Specifications for Electrical Systems in Military Vehicles(軍用車両における電気システムのトランジェット仕様)』)を参照してください)。図3 の回路では、高電圧DCM の最小動作電圧より高く、低電圧 DCM の最大動作電圧より低い電圧に入力電圧をクランプします。
図3: 電圧クランプ回路の例。
3 つのコンバータを用いるバックアップ電源の用途の場合は、2 つの低入力電圧のDCM のそれぞれに電圧クランプ回路が必要になり、イネーブル回路には、2 つではなく3 つのコンパレータが必要になります。
電圧クランプ回路のMOSFET の無負荷時の電力消費と電力損失を低減するには、入力電圧に合わせて、個々のDCM が起動するように回路を設定する必要があります。この回路は、基準電圧を備えたコンパレータのように単純なもの(図4 参照)でも、マイクロコントローラを備えた回路のように複雑なものにすることもできます。DCM の起動と停止は、43 ~ 50V(図1 の場合)の重複する範囲で行なう必要があります。43 ~ 154VIN のDCM は、入力電圧が44V を上回ると起動し、電圧クランプ回路が動作する前に9 ~ 50VIN のDCM を停止する必要があります。この例では、クランプ電圧は 49V であるため、入力電圧が46.5V を上回ったときに9 ~ 50VIN のDCM を停止します。
システムの設計は、各部品のばらつきを考慮に入れて、DCM を停止する電圧が電圧クランプレベルより高くならないようにする設定する必要があります。また、クランプ回路のMOSFET は、MOSFET の電圧低下(VIN_MAX – VCLAMP)、MOSFET を流れる電流、停止した9 ~ 50VIN のDCM のスタンバイ入力電流を考慮して、適切なサイズのものを選択してください。
図4: イネーブルロジック回路の例。
この方式には、いくつか考慮すべきことがあります。入力電圧の立上るスルーレートと、使用するイネーブル制御方式によっては、低電圧DCM™ が停止してから高電圧DCM が起動するまでに短い間隔が生じる場合があり、この間に適切な負荷電流を供給するには、9 ~ 50VIN および43 ~ 154VIN のDCM の両方の出力コンデンサを適切なサイズにする必要があります。また、正しくソフトスタートが動作するためには、DCM が停止してから同じDCM が再度起動するまで100ms の間隔をあけます。この重複して動作する入力電圧の領域では、入力電圧を単調に上昇または下降させると、最適な動作になります。両方のDCM が起動する電圧範囲がある場合は、この動作領域で負荷電流を供給する方のDCM の出力電圧を他方より高くなるように調整します。
ワイド入力電圧範囲を必要とするアプリケーションにおいて、単一構成のDC-DC コンバータでは、使用可能な電力、電力密度、システム効率の大幅な低下に電源システム設計者が妥協することが多くなり、システム全体のコストも増加します。高効率で高い出力電力密度を持つ、使いやすいVicor DCM DC-DC コンバータを活用することで、小型、高効率、低コストのソリューションを構築できます。
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